ジェントリフィケーション

1970年代ごろの世界では地域の活性化や犯罪率の低下、さらに経済効果もあるとして、ジェントリフィケーションは高く評価されていました。しかし、ジェントリフィケーションが活発化すると同時に、その問題点も明らかになっていきます。 元々の住民との経済格差が起こる: ジェントリフィケーションには、街全体の資産価値が上がり、家賃はもちろん、日用品・食料品の価格も高くなるという結果がたいてい起こります。そうなると、もともとそこに住んでいた低・中所得住民にはその家賃を払うことや日々の買い物をすることすら困難となります。 街の個性が失われる: その街がもともと持っていた特性や個性を消し去ってしまうという側面があるという問題も指摘されています。単純に高級化するということは、街全体の特色を失わせることになるのではと考える人も多いようです。 問題をはらむ一方で、ジェントリフィケーションが進むと、多くの人の暮らしを快適になるというメリットもあります。例えば、老朽化した建物や狭い道は地震や火災のときには非常に危険なもの。再開発にて耐震・耐火設備などが充実した建物や街にすることで、万一の時にも安心した暮らしができるでしょう。さらに、街全体がバリアフリーとなれば誰もが住みやすくなるほか、治安が良くなることなども期待できます。人口が増えて地域活性化につながる、経済が活発化するといったことも期待できるため、ジェントリフィケーションは有意義な結果であると考える人々も多くいます。